腹圧性尿失禁は女性ならではの病気なんです。
尿漏れはいろいろと原因がありますが、くしゃみや咳でおしっこが漏れてしまうと悩んでいるのは、圧倒的に女性が多いということをご存知ですか?
その理由というのは女性の身体の構造が、尿漏れしやすい身体になっているからなんです。
自分だけが尿もれで恥ずかしい・・・なんて思う必要はありません!
わたしが泌尿器科に行って
「咳をすると尿漏れします」
と医師に言っても
「女性なら結構ありますよ」
なんて言われたのも、身体の構造上仕方ないことだったんですね。
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女性の体は男性に比べて、なぜ腹圧性尿失禁になりやすいのか?
尿道の長さや太さが違う
身体の構造上、腹圧性尿失禁になりやすいというのは具体的にどういうことか説明します。
人間はおしっこを膀胱にためて、膀胱にたまってきたら脳に信号を送り尿意を感じます。
そしてトイレに行き、膀胱からおしっこを出すんです。
ただその膀胱から出ている女性の尿道は、太く長さが短く4cmほどしかありません。
一方、男性の尿道は、細くて長さが16〜20cmほどあります。
なので男性と比較すると膀胱が勝手に動き出すと、おしっこがすぐにでてしまうのです。
女性は骨盤の中の骨盤底筋が出産で弱る
おしっこをためておく膀胱は骨盤の中にある臓器です。
そして骨盤は骨盤底筋と呼ばれる筋肉で支えられています。
膀胱は子宮のすぐ前くらいの位置にあります。
女性の尿道は4cmほどと短い上にまっすぐで太く元々膀胱からおしっこが出やすくなっている上に、出産で子宮は大きくなり膀胱は圧迫され骨盤底筋は大きなお腹を支えるために負担がかかります。そして出産したときにも筋肉が傷つくのです。
また授乳や女性ホルモンの関係で産後はぽっちゃりしてしまうママもいて、肥満も悪影響を与えます。
骨盤底筋が弱ると膀胱が下がってくる
骨盤底筋が弱ってくる理由は先ほど紹介した出産のダメージ、肥満、女性ホルモンなどいろいろとあります。
避けて通れないのは老化現象です。
老化してくると膀胱や尿道を支えてくれていた骨盤底筋の力が衰えてダランと垂れ下がり伸びたパンツのゴム状態になります。
そのため、膀胱の位置が若いときよりも下に落ちてきて、尿道がうまくしめられなくなったりして、くしゃみや咳をしたときなど、んっ!!とお腹に力が入ると膀胱に加わった力の方が尿道をしめる力より強くなってしまい、膀胱の中の尿が出てしまうのです。
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男性は女性とは逆の悩みおしっこがでない
女性は尿漏れに悩む人が多いという話をしました。
では、男性は尿に関する悩みはないのか?というとそうではなく、尿道が女性よりも長く細い男性には別の悩みがあります。
それは、おしっこがでにくくなるという現象です。
思い出してください。
最初にクマ先生が
と言っていました。
これがよく耳にする前立腺肥大という病気です。
前立腺とは?
生殖器に関わる臓器で男性のみにあります。
膀胱の出口にドーナツのように前立腺があり、その真ん中を尿道が通っています。
55才以上の男性の5人に1人は前立腺肥大だと言われています。
原因はドーナツ状に尿道を囲んでいる前立腺が大きくなって、尿道を圧迫したり、前立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道を圧迫することで、排尿障害を起こす病気です。
前立腺が肥大する原因はまだ特定されていません。
出にくくなる女性と出やすくなりすぎる女性、ちょうど足して÷2したくらいの身体だったら男性も女性も尿で困ることはなかったのかもしれませんね。
男性には分からない女性の尿漏れは仕方がない
男性に比べて女性はお腹に圧力がかかった場合に尿漏れしてしまうのは、こういった女性特有の身体の構造からで致し方ないことです。
でも致し方ないだけでは日常生活が不快なままですので、少しでも改善できるように努力が必要になります。